過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

手づくり葬 棺桶を自作する

奥様の余命はあと10日くらいか。医療は、治るために行うもの。治る見込みのない医療というのは、患者に負担を強いるだけ。ということで、ターミナルに入った。

もはや点滴もしない。水も断っている。奥様は60代前半からアルツハイマーにかかり、田中さんはお世話されてきたと思う。

心をこめての「手づくり葬」に向けて、いま棺桶を製作中の田中さん。カヤック手づくりの田中さんならではの腕前。しかし、浮かべて、そのまま川に流し、そして太平洋に漂いながら往生するのにも良さそう。

曲線のカーブがとてもいい。蓋もつくる。周りに般若心経を写経した和紙を貼る。骨壷は大友さんに制作してもらう。土に還るように杉で作った。

葬儀そのものは、お坊さんも呼ばない。親しい身内だけ。奥様の好きだった井上陽水の「少年時代」を流す。そして、カタロニア出身のチェロ奏者、パブロ・カザルスの「鳥の歌」。柩は、田中さんが近くの斎場まではこぶ。

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