過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

もっとも大切な国民のいのちにかかわる情報について、政府はそれを国民に知らせない

いま表現の自由の問題が騒がれている。けれども、もっとも大切な国民の〈いのち〉にかかわる情報について、政府はそれを国民に知らせない、ということがある。

2011(平成23)3.11による福島原発の事故。それは、まだ続いている。「アンダーコントロール」(安倍首相)では、けっしてない。
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炉心は爆発、炉心は溶融(メルトダウン)した。国際原子力事象評価尺度(INES) において最悪のレベル7(深刻な事故=チェルノブイリクラス、あるいはそれ以上)に分類される。

こういう最悪の事態の時に、政府のありようがわかる。国民の〈いのち〉にもっとも重大な影響を及ぼす恐れのある情報は、意図的に隠蔽あるいは糊塗される。

ベント(放射性物質を外部に排出)、炉心の爆発、メルトダウンは、ほとんど知らせなかった。

不安を煽り、パニックを起こし、混乱させ、その地域の人達への風評被害を及ぼすというのが理由だろうが。既得権益の団体の利害を損なうという理由も大きい。そして、マスコミはそれを忖度して、右へ倣えする。
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SPEEDIの調査結果を、福島県民に知らせなかった。しかし、「米軍には知らせていた」。

漏れた放射性物質がどこに流れるかを即座に割り出すSPEEDIがある。それつかって調査すると、どのエリアに放射能が流れていくのかわかる。

政府はそのデータを持っていた。しかし、避難する住民には一切知らせなかった。放射能が流れていく方向に避難して、かえって被爆した人がたくさんいる。けれども、「米軍には知らせていた」のだ。
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メルトダウン炉心溶融)を起こしていた(123号機のいずれも)。600トンの溶融炉心コリウムが、いまだみつからない。それを発表したのは、事故の数か月後のことだ。

メルトダウン炉心溶融)した核燃料(デブリ)は、圧力容器の底を突き抜けて、行方不明。解けた核燃料は、どこにあるのかわからない。みつかっても、それを回収できっこない。たとい回収しても、安全保管できない。

③核燃料(デブリ)は、地下水と接触して地下水脈を汚染し、汚染水は太平洋に流れ続けている。あと何十万年も続く事態ではなかろうか。

政府は「ただちに健康被害はない」といい続け、 「プルトニウムは飲んでも大丈夫」という御用学者も現れた。
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政府は、大切な情報を隠蔽し、改ざんし、糊塗する。原子力ムラなど既得権益の団体と連携して、不都合なことは「なかった」ことにしてしまう。マスコミは、つまらぬゴシップや芸能ニュース、大相撲や野球を流して、愚民化に拍車をかける。