過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

中国AIを駆使したパワー、まことに恐るべし

AIについて探求している。中国の経済・軍事的な脅威もあるが、AIを駆使したパワー、まことに恐るべしの感を持った。

以下、野口さんの「AI入門講座」(東京堂出版)から、興味深いところを、すこしピックアップしてみる。
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AIを駆使した中国の国民監視システムは、「天網」と呼ばれる。

街中にある監視カメラが、顔認証技術で人や車の動きを追跡・判別し、犯歴データと照合する。

これによって、通行人の性別や年代、服装などを瞬時に識別できる。カメラ総台数は、1億7000万台に及ぶ。

2018年2月には、顔認証ができるサングラスを警官がかけて、犯罪者の取り締まりを行なうことも開始された。

人混みを眺めるだけで、視界に入った人々の顔をスキャンし、その情報をもとに、データベースに登録された容疑者を照会して特定する。
(中略)
中国のこうした高いAI技術を支えているものは何か?

第一は、基礎研究力の急速な高まりだ。コンピュータサイエンスの大学院で、中国清華大学はマサチューセツ工科大学(MIT)やスタンフォードなどのアメリカの大学を抜いて、いまや世界一だ。
(中略)
警察は、標準的な情報収集の際においても、指紋や手のひら採取、顔写真、尿およびDNAサンプルといった生体認証データ、そして音声パタンを収集する。

公安部のデータベースには、10億人以上の顔データと、4000万人のDNAサンプルが記録されているという。

そうしたデータは、公民身分番号とリンクされ、銀行口座記録や、高速鉄道や飛行機での旅行、そしてホテルの滞在記録などの詳細な個人情報と統合管理される可能性がある。
(中略)
この背景にあるのは、デジタル技術の活用で形成されつつある史上最強力の権力基盤だ。

これを「デジタル・レーニン主義(Digital Leninism)」と呼び、習政権がAIを活用して、新しい統治システムを構築するだろうとの見方がある。
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以上「AI入門講座」(東京堂出版)より

超整理法」「超文章法」から、「経済学」「AI」にいたるまで、野口悠紀雄さんから学ぶことが多い。