過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ユダヤ教と仏教の戒律について

ユダヤ教徒とは、インドの旅でよく出会ったことがあるが、言葉の問題があって、じっくり話をしたことがない。
とにかく「たくさんのきめごと」があるようだ。また、ユダヤ教の戒律、儀式とイエスの生きざまと教えと連動していくと、じつにいろいろおもしろい。
以下、山形孝夫著「聖書小辞典」(岩波ジュニア新書)から。とても読みやすい。
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安息日の労働禁止は、イスラエルに住むすべての人びとが守らねばならない戒律だったのですが、人間だけでなく牛やろばなどの家畜にも適用の義務が明記されています(申命5:12-15)。
禁止された労働には、耕作、商い、旅行はもとより、パンを焼いたり荷物を運ぶ仕事など、その他こまかくひとつひとつ数えあげられています(出エジプト16:23-30、エレミヤ17:21-27)。
それだけではありません。実は、こうした安息日の戒律を守るためにさらに39か条の禁止事項がつくられ、それを守るためにさらにまた234項目もの禁止行為が設定されて、ユダヤ社会は数えきれない戒律によってがんじがらめにしばりつけられていたのです。
エスが語った言葉「安息日は人のためにあるもので、人が安息日のためにあるのではない」(マルコ2:27、マタイ12:8ほか)は、形骸化した戒律にしばられて心の自由を失った人びとにたいする警告として読みとくことができます。
なおキリスト教徒の日曜礼拝の慣習がユダヤ教の土曜安息日礼拝をうけついでいることはもちろんですが、土曜から日曜礼拝への移行の最大の理由が、その日がキリストの復活の日であったことによることはいうまでもありません。
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仏教においてもたくさんの戒律がある。初期仏教においては僧侶は250、僧尼は500もある。12時過ぎきたら食事してはいけないとか、高いベッドに寝てはいけないとか、歯をむき出して笑ってはならないとか、たくさんある。
それをこの日本において実行しようとすると、たいへん。生きていけなくなる。そのためには、お付きの人がいて、なんでもしてあげなくちゃいけなくなる。なにしろ、自ら料理もしてはならないのだし、お金も持ってはならないわけだから。