過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

(続き)インドネシア問題の進捗。

(続き)インドネシア問題の進捗。
なにごとも、事実が大切。そこで市役所に聞いた。
①補助事業の具体的な名前
②補助事業の内容
③その施設の「所有者」は誰か
④いつ交付決定通知があったのか
⑤交付の条件はなんなのか
⑥交付決定部局はどこか
それに対する回答をもらって、はじめて市が「規定では貸してはならない」と言っていた背景がわかった。
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結論から言う。役所は、単語を切り離して、恣意的、あるいは理解力が伴わなくて間違っているのでは、と思われた。

規定の文言はこうだ。
補助金の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供してはならない」
交付金の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供してはならない」
この文言の中の「貸し付けてはならない」の部分だけをとりあげて、インドネシアの人たちの食品加工には貸せない。規定違反になる。そうなれば、補助金の返還をもとめられるというのだ。
すなわち市は、「貸し付け」てはならない、の言葉だけを切り取って主張している。
しかし、よく読んでみよう。こは国語力の問題だと思うのだが。
「目的に反して」は、使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保にかかる、副詞節である。
すると、「目的に反しないならば事業主体が変わっても、問題ない」という農水省大臣官房予算課補助金班の言葉が、文脈的につながる。かれらが発行している文書だから、かれらの言葉に重みがある。
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では、インドネシアの人たちの加工所の利用が、「交付の目的に反しているのかどうか」。みてみよう。
まず交付の目的。「都市住民との交流活動の拠点として農産物加工体験施設を設置し、地域で生産される農林産物等の加工や活用法を伝えるとともに、地域産物を使った加工品の開発と供給を行い、地域の活性化を図る。」
この目的に外れなければ、いいわけだ。具体的に見てみよう。
この交付の目的を、3つに分解する。
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①「都市住民との交流活動の拠点として農産物加工体験」……〈まちなか〉のひととともに、ハラールの食品、あるいはインドネシア料理の学び、体験により交流する。ということで、目的に反していない。
②「地域で生産される農林産物等の加工や活用法を伝える」……地域で取れる唐辛子、キャッサバ、ブルーベリー、シイタケ、山芋などを活用してハラール食品とする。その加工調理法を地域の人たち、まちなかの人達に伝える。ということで、目的に反していない。
③「地域産物を使った加工品の開発と供給を行い、地域の活性化を図る」……地域産物(唐辛子、キャッサバ、シイタケ、ブルーベリー、あるいはニワトリやヤギなど)の開発と調理を行い、ハラール食品として、〈まちなかの人たち、および全国のムスリムに販売する。「集落ブランド」のハラール表示の開発も行う。「集落ブランド」が、全世界に発信される。
そして、近くにある施設を利用して、インドネシア料理の集い、学びの会。さらには、地域の人達の暮らしの発信、コンサート、寄り合いの場として活用する。インドネシアのインバウンドの拠点として、山里暮らしを体験してもらう。その際、地域と交流してもらう。
そのことで、山奥の集落の魅力発信となり、そこを訪ねるきっかけとなり、地域の活性が可能になる。ということで、目的に反していない。
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目的に反しないばかりか、積極的に、地域貢献、国際交流、過疎化対策(若手8人のインドネシア人が移住する可能性もある)さらには、インバウンドとしてインドネシア・ツアーの中継拠点、山里体験の場になりうる。インドネシア技能実習生の学びの場ともなりうる。人口28人の山里は、活気が出るではないか。
以上について、農水省の大臣官房を通して、関連部署にアピールしていく。市役所に問い合わせる。ま、今回の役割は、とりあえずそこまで。