過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

海外の物流のコストダウンのプロジェクト

むかし、ある会社で海外の物流のコストダウンのプロジェクトの仕事をしていたことがあった。生産と販売の調整をするというのが、ひとつの役目だ。30年以上も前のことだ。

本社としては、製造コストを抑えたい。海外の現地法人は、在庫が不足していたら、クリスマス商戦に売り玉がなくなるので、なるたけ多く確保しておきたい。しかし、生産能力には限界がある。そうして、世界全体で在庫を減らしたい。オンボードといって、船積み輸送期間中の在庫を減らしたい。そのあたりの調整の仕事だ。

船賃が安くて正確な船会社を使うとか、海外現地の販売計画を追求するとか、工場には生産力をあげてもらうとか、そんな仕事をしていた。会社が大きすぎて、全体の構造がよく理解できないまま、計算ばかりやっていた時代であった。

とても電卓では追いつかない。パソコンもない時代。バッチ処理といって、大型コンピュータにキーパンチャーが入力して計算していた。そのうちやっと、IBMの5550というパソコンでマルチプランという表計算ソフトが現れて、それを習って使っていた。それから、ロータス123というのが出て、やがてマッキントッシュが出現して、エクセルとなる。

当時は、ドイツマルクが80円くらいで、円高になると79円とか、78円とかになる。すると、売上がどーんとさがる。そうすると、販売計画の見直しとか。3,000アイテムを、細かく計算したり、そんなことばかりしていた。

船積みを海外向けに出荷すると、その時点で売上が立つことになっていたので、船積みとDepartureの日付でカウントする。計算力も、数字の処理能力のないぼくが、よくもまあ、そんなことをしていたものだと呆れる。たまに10億円くらい、売上を間違えたこともある。

そんな仕事を夜中まで、残業を月に100時間しながら、やっていた。そして、こんな仕事ばかりしていたらスリへってしまう。好きな仕事をしなくちゃ。でも、好きな仕事ってなんだろう。そんなことをいつも考えていたのだった。いまふと思い出したので書いておく。