過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

土地の測量について

近所の空き地で、土地の測量をしていた。費用はどれくらいか、測量士に聞いてみた。「10万円くらい?」。「いえいえ、その倍、いや数倍かかります」。おお、そんなにかかるものなのか。

隣地との境界が不明だと、後でもめることがある。そのために測量するのだろう。しかし、たった100坪あまりの土地である。そんなに正確に測量する必要があるのだろうか。売れたのか、あるいは売るために測量しているのか、わからないが。

きちんとした測量には金がかかる。

昨年のことである。耕作放棄地を借りて田んぼをやっていた。あるとき、地主に「あるはずの杭が、ここにない」と言われた。

お借りする時、杭のことなど、そもそも眼中になかった。田んぼによみがえらせる時、草刈機かトラクターでつぶしてしまったのか、どうにも見当たらない。

地主は、「ちゃんと国土調査して打った杭だから、復旧してもらいたい。再測量をやってもらいたい」と言われた。

費用を考えると、測量士が2名、出張費などもふくめて20〜30万円かかるらしい。

うむむ。この2反の田んぼで収穫が300キロ。10キロ1万円とすごく高く売れたとして、ぜんぶで30万円にもならない。

自分たちの人件費は除いても、機械の修理代、レンタル代、燃料、電気柵バッテリー、種籾など、数十万円かかっている。その上に測量代か……。絶望的になったことがある。

さいわい田んぼ仲間のYさんが、あちこちを鍬で掘って、見つけてくれた。知らず知らず、土で埋まったらしい。それで、この難は免れたのである。耕作放棄地を借りるときの要注意点の一つだ。

土地の境界は、測量士を使って厳密にやるのがいい。だが、山里の土地は売れないし、坪数千円程度だったりする(農地は農家資格者にしか売れない)。

土地所有者同士が納得すれば、ホームセンターで買ってきた赤い杭を打ちこめばいいのだと思うが。