過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

雨の中、あかりを連れてほたる公園に

家の中にずっといたんじゃつまらない。友だちと一緒に遊びたいよー、友だちと一緒に遊びたいよー。あかりが、泣いている。

でもね、この山里には、おんなじくらいの友だは、ちっともいないんだ。おじいちゃんと、おばあちゃんばかりだね。

それであかりを連れて、ほたる公園にやってきた。でも、外は雨が降っている。ずっとこの東屋の下で待っていよう。

この雨の中で待っていたら、友だちがやってくるかもしれないよ。

それじゃあ、待ってる。あかりは言う。

ほら、チョウチョが飛んでるね。草の中から、こおろぎの音が、ヒリヒリヒリヒリと聞こえてくる。鈴虫の音も聞こえるよ。リーンリーン。

あれれ、鳥の声が聞こえるね。いまピピーって鳴いた。あれはヒヨドリかな。それからカラスの鳴く音だって、聞こえるね。

これはね、猫じゃらしと言うんだよ。ほら猫の前で、ゆらゆら揺すったら、猫が遊ぶんだよ。

あの向こうに見える赤い花はね、曼珠沙華。お彼岸の季節に咲く真っ赤な花だよ。

見た目は、あかりちゃんとちょっと違うけれどもね。それもみんなお友だち。鳥さんも虫さんも蝶々さんも、お花も、みんなお友だちなんだよ。

雨も、しとしと降り止まず。さあ帰ろうかね。
かあちゃんにおみやげ……。あかりが言う。
あかりは、葉っぱをひろう。彼岸花と紅葉を手折って、お母ちゃんへのお土産にした。


iPhoneもって、雨の中、音声入力を使って書いた。もちろんあとで、編集したけれど。便利だ。