過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

墓じまい(6)直葬、樹木・海洋葬、ゼロ葬

この夏、カタリバ「看とりとおくり」を主催した。その中の語り合いで、でてきた話題を取り上げて紹介している。

都会では「直葬」が増えている。ある調査では都会の葬儀の2割にもなるという。「直葬」とは、通夜や告別式を省略して、火葬場で火葬することをいう。僧侶をよぶときは、炉前での読経するのみ。

もっとも、いきなり火葬場への直行は難しい。都会の火葬場はつねに満杯なので、何日か待たされる。友人は、直葬ではなく、ちゃんとした葬儀を行ったが、火葬場では10日以上も待たされた。そのため、遺体を安置するホテルなどが繁盛している。

もうひとつ、火葬場で遺骨を受け取らない「ゼロ葬」というのもある。遺骨がなければ、墓などわずらわしいことはない。

子孫に墓守などの負担をかけさせたくない、という思いもあると思う。また、遺骨そのものは、所詮は、モノであり。魂などがあるわけではないという、意識もあると思う。

背景には、経済的な問題もある。なにしろ日本における葬儀の平均支出は200万円くらいする(日本消費者協会調査)。ざっと葬儀一式(100〜120万円)+寺院関係(30〜50万円)+飲食(30〜50万円)だ。(池谷のざっくりとした認識)

やはりたいへんな額だ。公営の火葬場で遺体を焼くだけなら、もろもろ費用の削減になる。それに、煩わしいこともない。お坊さんに来てもらい、枕経だの、戒名だの告別式だの、そして精進揚げなど食事の用意など。

ついで墓である。ぼくの友人に聞くと「墓などいらない」という人がほとんどだ。海にまいてほしいという。樹木葬や海洋葬がいいという人が増えている。

そのために、請け負う業者も増えてきた。遺骨をダンボール箱に入れるだけ。あとは、郵便局が集荷に来る。委託会社が、遺骨をパウダーにして、東京湾沖などでまとめて散灰する。こちらは数万円で済む。

伊豆がいいとか日本海がいいとか言うと、チャーター便で行くのて、高額になる。こちらは数十万円になる。