過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

布絵の作品集が完成

竹山美江さん(9月で83歳)は、50代から布絵の創作を始めた。この30年間で創作した「布絵」は300点あまり。そのなかの160点を画集として8月末に出版した。編集制作したのは、浜松市天竜区春野町のいちりん堂(ぼくのところです)。

画集のタイトルは「もめん大好き」。1.古民家と町並み、2.山里を走る電車と駅舎 3.こころ寄り添う花々 4.異国の館 5.浜松の風景 の5つのテーマに沿ってまとめられている。

布絵とは、古布や更紗などを切って、貼り重ね、縫い付けて描かれたもの。使い込んで色あせた古布の風合い、手触り感がなつかしく温かい。骨董市などで古布をさがし、ジャワ更紗、絣、手染めの布、藍染などを求めては、それらを素材に創作してきた。

9月には83歳になるが、まだ元気な限り、これからも創作を続けていくと竹山さん。以下、あとがきから。

「布が好き。もめんが好き。布との出会いが楽しい。

幼い頃、ぬり絵が大好きで、よく色をつけて楽しんでいました。少女期には、中原淳一の「ひまわり」「それいゆ」を愛読していました。

50代になって、宮脇綾子の布絵に出会って衝撃を受けたのが、この世界に入るきっかけになりました。

初めての個展は、遠鉄百貨店の手作り展です。60代になって、杉浦捷子先生の布絵教室に3年間、通いました。鈴木明寛さんの「民家を訪ねて」の紀行画集を参考に、大鐘家の長屋門をつくりました。 掛川中央図書館にて、井土絢子さん、永井なつ代さんと3人で布絵展を開きました。

70代になって、年に1回、テーマを変えて天竜区の阿多古の自宅で展示会を開いています。そうして、80を超えてから、こうして初めての作品集を上梓することになりました。これからも、創作をつづけてまいります。」

なにしろ、本の完成まで何年もかかってしまった。「生きていてよかっわぁ……」と喜んでくださった。次の本もすぐに作りましょうと、また仕事を頂いた。ありがたいことだ。