過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ぼくが出会ったオウムの人たち、出来事

オウム(2)ぼくが出会ったオウムの人たち、出来事、思い出しながらすこしずつ書いていく。間違えがあったら指摘してほしい。

かれは出版に携わっていたのだが、スパイ、あるいは重要な情報を外部に漏らしたと間違えられて、査問にあった体験をもつ。

あるとき、林郁夫医師(無期懲役となった)に呼びだされた。大脳辺縁系の一部に「海馬」がある。いわば記憶を貯蔵している場らしい。そこに電気ショックを与えられたという。

そのことで、かれはある期間の記憶がまったく消えてしまったという。

かれが入信したきっかけは、麻原のシャクティパット(眉間や頭部に指先からエネルギーを注入する)を受けたところ、強烈な光の体験のようなことがあったからだという。それから数日、体がグルグルと回転するような動きがあって、まったく日常の風景が変容してしまったのだという。

麻原のシャクティパットを受けて、こうした神秘体験を受けた人たちは多い。麻原がどんどんとおかしくなっていったのは、このシャクティパットをやりすぎて、エネルギーを消耗してしまったからという人もいる。

シャクティパットによって、神秘体験を得させ、信徒を獲得しようという狙いもあったのだろう。後に、第一の弟子であるマハーケイマ 正大師(石井久子、後に麻原の子を生む)に、シャクティパットをやらせてもいた。そして、あるときから、薬物をつかって神秘体験をさせるという安易なことをはじめたのであった。

ともあれ、こうした人たちがポアされた可能性もあるし、あるてはサリンを巻く任務を与えられた可能性があったわけだ。

ちなみにシャクティパットは、オカしいとかアヤしいという人があるが、古代インドのヨーガの伝統の中では、行われていることではある。ぼくは、いろいろなヨーギあるいは聖者と言われる人から、シャクティパットを受けたことがある。ぼくは鈍感だから、なんら変化がなかったけれども。

また、大脳に対する電気ショックというのは、数十年前には、精神病棟で精神障害者の治療によく使われていたのである。