過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

利益をあげようとしたら、付加価値をつけなくちゃ、やっていけない。しかし、人手不足と。

奈良で農業を営んでいる友人から電話があった。学生時代の数少ない友人の一人だ。奈良の山里で農業を営んでいる。こんなやりとりだった。

田舎で農業で金儲けしようとしたら、無理だ。お米なんて、とてもとても……。

利益をあげようとしたら、付加価値をつけなくちゃ、やっていけない。一次産品を加工して自ら販売する「六次産業化」(一次産業+二次産業+三次産業=生産して、加工して、販売する)ということになる。

そうなると加工所も必要、販売ノウハウも必要、人手も必要になる(彼は、モモの栽培と販売、加工もしている。うまくいっていようにみえる)。

農業や林業は雇用対策にもなるし、県でも農業を推進しようという流れが、いま起きている。

ただ、全国、どこでも人手不足だ。こんな田舎にも外国の人が手伝いに来る。かつては、中国の人だった。いまは、インドネシアの人が増えてきた。よく働いてくれる。

もちろん日本人もくる。会社にリストラされて、農業に道を見出そうとする人など。

ただ、そういう人は、クセが強いのであつかいにくいところがある。きめられた一人でやる仕事はちゃんとやる。けれども、やりとりしながらすすめるのは苦手のようだ。事細かに指示しないと、とんでもないことになったりする。聞いてなかった、マニュアルがほしいと言われた。

そういう人が農業を営んでいけるのかどうか、難しいと思う。でも、ひとり暮らしだからなんとかなるようだ。そして、大きいのは、親の年金。そういう人たちが増えている。

……そんなやりとりをしたのだった。

こうした現場の声を聞くのは新鮮だ。特に異業種の人と話をすると、いろいろ参考になる。現場の暮らし、仕事からの声から世の動きがみえてくる。