あけがた、磨いた黒いワンボックスカーに、白蛾がひとつ止まっていた。
山里の道を走るので、車は傷だらけ。運転がザツということもある。あまりにみっともないので、すこしは補修しよう。疵をスプレーで補修してワックスかけたら、ピカピカになったのだった。
白蛾はそこに止まったまま。あかりをクルマに乗せて保育園に。着いたら蛾はもういなくなっていた。
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翅ひらき 白蛾ぺったり 止まってる
ボロ車 磨いた上に 蛾がひとつ
ボロ車 磨いて 白蛾のお客さん
春のゆく 寂そのままの 白蛾かな
子を乗せて 白蛾とともに 保育園