過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「一夜賢者の教え」というのがある

過去をふりかえって、よく反省して明日に生かす。けれども、いつの間にか、過去の世界にひたることがある。ああすればよかったな、あんなことしなければよかったな……などと、思考が徘徊することもある。

未来を見据えて、目標を立てて、ああしよう、こうしよう。いつごろからこうしよう計画する。これもたいせつ。

ところが、こうなったらいいな、ああなったらいいな、もしかしたら、こんなことになるかな……。これまた未来の世界に思考が徘徊することがある。

いえることは、過去も未来も、「いまここ」にない。生きているのは、つねに「いま」。リアリティとしての人生は、つねに「いまここ」にしかない。

なので、いまここに立つ。しっかりと意識する。集中する。そういう生き方に立ってみる。

ブッダの言葉として伝わっているものに、「一夜賢者の教え」というのがある。こういう要旨である。

過去をふりかえるな。
未来を追い求めるな。
過去は、すでに捨て去られたもの。
未来は、いまだ到達しないもの。
 
いまあるもの、しっかりと注意を集中せよ。見きわめ、観察せよ。いまここで、やるべきことをしっかりと行え。

明日の死を知りうるひとは、だれひとりいないのだから。