過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

一緒に力を合わせて乗りきる伴侶がいるといないでは、ずいぶんとちがう

山里暮らしのひとつのパターン。定年退職した。もう仕事しなくていい。さあ、いよいよ田舎暮らしだ。大自然でおもいきり遊びたい、木工も菜園もやってみたい。ワクワクするぞ。物件を探す。移住する。

しかし、奥さんは一緒に来ない。不便で文化がない。虫が多い。ヘビが出る。地域の付き合いがわずらわしい。これまで住み慣れたいまの地域の人たちの交流のほうが楽しい。「あんた、勝手にいってらっしゃい」。田舎に訪ねても来ない。

ということで、田舎でひとり暮らしということになる。こうした友人は、何人もいる。ま、定年退職後だと、奥さんも一緒になって田舎暮らしをする、というのは珍しいのかもしれない。それだけ山里暮らしはたいへんなんだ、いろいろと。

そうして、やがて年を重ねる。70も過ぎてくると、体力も衰える。草刈りも大変。まあ、このあたりでいいいかな。だいたい田舎暮らしも飽きてくる。10年間、たのしませてもらった。

といって、今さら、子どもたちのいるところには帰りづらい。やっぱりマンション住まいがラクでいい。でも、あらたに買う必要もない、資金もない。賃貸がいい。

しかし、70を過ぎたひとり暮らしだと、なかなか貸してくれるところがなかったりする。そうして、中型の愛犬などがいると、ますます難しい。

田舎暮らしは、もういいよ。一度、そういうスイッチが入ってしまうと、もう楽しくない。チャレンジの心が湧いてこない。そうこうしているうちに、ますます歳を重ねる。

そういう友人と、立ち話。田舎暮らしは、夫婦できたほうがいい。一緒に力を合わせて乗りきる伴侶がいるといないでは、ずいぶんとちがう。いろいろ人生模様がある。