過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

すぐれたメルマガを読むことも世の中の動きを知るツールと

講演会でお会いしたのが30年ぶり。名前を言うと思い出してくれた。じつはおんなじ憲法ゼミ(浦田賢治教授)の一年先輩である。

以来、メルマガを届けてくださっている。水島朝穂教授は、学生の当時から、ものすごく冴えわたる理論家、もちろん左翼的(当時は、みんなそうだ)。厳しいことで知られるこのゼミには、ぼくはまったくついていけず、すぐに脱落したのだった。ああ、もったいないことをした。

こうしてメルマガを通して、ドイツの事情など知る。第4次メルケル政権の多難なことなど、ほとんど知らなかった。

テレビなど見ないで、いろいろな立場のすぐれたメルマガを読むことも世の中の動きを知るツールとなる。また、自分でも発信していく。その両輪がたいせつと思う。

以下、転載。

■◎■「直言」ニュース 2017年12月4日
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早稲田大学の水島です。皆さまいかがお過ごしでしょうか。 仕事に復帰し
て、授業から校務、講演などを元気にこなしています。ご安心ください。
さて、直言更新しました。
http://www.asaho.com/jpn/index.html
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/1204.html (固定)

■ 今回は、9月24日のドイツの総選挙のあと、連立協議が2カ月以上行われていましたが決裂。目下、政府ができない状況にあります。「第4次メルケル政権」は相当の難産です。
目下、シュタインマイヤー大統領が各党トップと会って政権成立に向けて精力的に仲介をしています。シュタインマイヤーは、私が26歳のときに訪れたギーセン大学の憲法学教授の研究室で会ったことがあります。憲法学で博士号を取得ています。
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/0417.html

そうした経歴の大統領ですので、基本法63条をよく理解しており、積極的に動いています。戦後ドイツの大統領は儀礼的・象徴的な役割が中心でしたので、ここまで大統領が動いて政権が発足すれば、ドイツ戦後政治史おける初めての例となるでしょう。少数派政権を発足させるか、再選挙を行うか。おそらく大連立政権になると思います。今週、方向性が出るでしょう。

今回、ドイツの政権発足と同時に、この2カ月の間で、議会をめぐる二つの出来事について書きました。一つは、10月に行われた秘密情報機関に対する議会の特別委員会が行った公聴会です。もう一つは、政府が質問に答えないことに対して憲法裁判所が議会の権限を侵害するとする判決を出したことです。日本の国会では、財務官僚が「答弁を差し控える」「資料はない」「記憶はない」などといって逃げる。この違いは大きいです。

■ 解散・総選挙の結果、日本の政治はますますひどいことになっています。
日本の国会の風景が変わってしまいました。先週の今日(11月27日)の10時から始まった衆議院予算委員会は、午前10時から午後4時前まで与党の議員が質問し、野党のトップバッターが質問を始めたのは夕方近くでした。今までの予算委員会になかった風景です。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=47603&media_type=

与党の質問は、政権の援護射撃、マスコミ批判など、まともな議会審議ではなく、まさに政権の宣伝演説と見紛うばかりの状況でした。与党2、野党8の時間配分を与党5、野党9になりましたが、実際は、ペラペラしゃべる安倍首相の答弁時間をカウントすると、全体として政府・与党6、野党4の割合になって逆転します
(『東京新聞』11月29日付「目立つなれ合い質疑」より)。

この惨状を生み出した「安倍自己都合解散」以降書いた「直言」を再録しておきます。この機会にどうぞ。いまの政治の惨状の出発点と経過が見えてきます。

「「自分ファースト」の翼賛政治――保身とエゴの「暴投解散」」
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/1002.html
「低投票率と「低投票所」―二人に一人しか投票しない「民主主義国家」(2)」
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/1023.html
「「みっともない国」へ?―「立憲主義からの逃走」」
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/1030.html
「トランプ・アベ非立憲政権の「国難」―兵器ビジネス突出の果てに」
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/1120.html

■ 今週水曜日(6日)18時から衆議院第一議員会館大会議室で開かれる立憲フォーラムの院内集会で講演します。タイトルは下記の直言と同じ「憲法は究極の『岩盤規制』―安倍式改憲の最終コーナー」です。
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/0821.html

今週発売される岩波書店の雑誌『世界』2018年1月号に「安倍「九条加憲」に対案は必要ない―憲法改正の「作法」」を書きましたのでお読みください。

■ 前回のこのニュースと、「雑談(116)音楽よもやま話(23)ブルックナー・オルガン再訪」
http://www.asaho.com/jpn/bkno/2017/1113.html
でお知らせした早稲田大学フィルハーモニー管弦楽団第77回定期演奏会(12月27日、杉並公会堂)の「直言ニュース」読者への、水島会長ご招待チケットの期限が迫ってきました。まだ若干の余裕があります。このメールに返信していただければ、先着順でご招待します。 https://wasephil.com/

曲目は、ブルックナー交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」です。私は大のブルックナーファンです。
 http://www.asaho.com/jpn/bkno/2012/0116.html

■ では、今週もどうぞお元気でお過ごしください。
水島朝穂