編集の仕事は、20年くらいしている。仏教書と医学書がメインである。ときに編集だけ、デザインのときもある。みずから著者になりかわって書くこともある。
まったくのド素人ではじめたことだ。出版社にいたわけでもない。いつもことだが、思いつき、ひらめきですすむ。縁があればすすむ。そういうありようだ。
企画が浮かぶ。ひらめく。著者と交渉する。企画書を書く。出版社に電話する。企画書を送る。きまる。原稿を書く。
ぼくが講談社とか集英社とかの社員なら、次々と企画していけるんだけどね。まったく無名で、あんだれ? なんか用? で、その著者ってだれ? みたいなところからすすめるわけだから。はなはだ不安定な道ではある。
それでも売れた本は、累計したら50万部くらいは、つくってきたことになる。
数々の失敗。そこから学んで立ち上がる。数か月かけて書いても、ダメってこともある。企画から原稿、デザイン、印刷まで行って、最終的なところで奥付の著者名を1字まちがえて、ぜんぶ刷り直し。みたいなこともあった。
まあしかし、ひとつちゃんとしたものをつくれば、つながる。その次には著者から、出版社から、あるいは親友から仕事を依頼されたりする。
そんなことで、なんとかやってきた。逆にひとつ失敗するともう次がない。ケンカ別れしておしまい、それっきりということもあった。
いまFacebookの友人とやりとりしながら、本の企画をすすめている。ぼくは、全体のプロデュースで、自らは書かない。
Facebook、Skypeのテレビ電話、そして共有の掲示板であるGoogleDocumentをつかってすすめている。今朝も、Skypeしながら、企画書作り。
ひらめきによる提案から、この間、たった数日。かなりの原稿サンプルもできてきた。
こうして企画書を完成させて、いくつかの出版社におくる。きまれば、本格的に著者が原稿を書いてもらう。
FacebookとSkype、GoogleDocumentをつかって、遠方の友(しかも、一度も会ったことはない)とかたちにしていくというやりかただ。この方式で、いろいろと本の企画ができるかもしれない。
田んぼや畑づくりよりも、まあこちらがやはり本業。得意な分野であるし、エネルギーも滞らない。そうして、たぶん収益につながる道であると、あらためて確認した。