過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

好意で貸していても、時が経つとあたりまえということになっていく

「貸してあげます」という好意だった。しかもタダで。しかし10年もすれば「あたりまえだ」ということになる。借りているという意識はなくなる。もとより、契約書など交わしていない。

ぼくが譲渡された土地の一部の駐車場(2台分)がそうなっている。持ち主は、まちなかに移住して家の処分に困っていて、壊すところだったところだ。壊すだけでも100万円の費用がかかる。見晴らし、日当たり、風通しが抜群。

こんど、あたらしく人に貸すことになった。それを機に、駐車場をタダで借りているUさんに、明け渡しをお願いした。面談してその旨を伝え、文書でも伝えた。しかしその後、なにも言ってこない。納得したなのかなあ、とおもっていた。

今朝、その隣家の人と道端で会った。「いままで使ってきたのだから、困る。なんとかならないのか」という。「人に貸すことになったので、この節に、返してもらいたいてのです」。「いや、暮らしが困ることになるし」と。そんなやりとり。

では、あらためて賃貸借契約を結ばせてもらいます。で、タダというわけにはいかないので、年間2万円くらいで。

そういうと、こんな山里で、それは高すぎるという。いや、貸したいわけではなくて、そもそも明け渡してもらいたいので……。というはなしになった。

まあこんなことで、地元ともめたくはない。あたらしく入るSさんが隣家に嫌われても暮らしにくくなる。しかし、ほうっておくと、当たり前のように土地を使われてしまう。

まあ、そこで次の2つステップを考えた。

第1ステップ:猶予期間を年内までとする。その期間に、かわりの駐車場をさがしてもらう。その旨、契約書を交わす。

第2ステップ:月2千円くらいで貸す。賃貸借契約を結ぶ。返してもらときには、3か月前に通知する。その際には、明け渡してもらう。

こういうケース、いろいろあると思う。移住者が購入した私有地なのに、地域の人はわが者顔で通過する。挨拶もしない、なんてケースもある。「私有地なので通過お断り」と看板など立てれば、地域と揉める。それがいやでそのままにしておく。すると、ますますあたり前だということになっていく。