過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

10年住んでくれたら、土地と家をあげるということにした

この家は、ぼくが所有していてじつは持て余していた。借り手もいない。管理も手間。かといってつぶすのに100万円ちかくかかる。さて、どうしたものかと心配していた物件だ。こういう家は、山里にはたくさんある。

Sさんが、ここを借りてくれることになった。10年住んでくれたら、土地と家をあげるということにした。

風通し、日当たり抜群。見晴らしもいい。近隣の散策コースもすてきだ。ちかくにカタクリの咲くところがある。徒歩5分くらいの秘密の場所では、ヤマメやイワナも釣れる。こないだは、庭にカモシカがあらわれて、びっくりした。

しかし、こんな山奥にみえて、商店街に近い。バス停も。食事処も。飲み屋も。診療所も。コンビニも。みんな歩いていける。

ただし、そのまま住めるかというと、水道と電気に問題がある。そこは自己負担で直してもらう。Mさんにも来ていただいて、電気工事の打ち合わせも行った。

仏像なども彫る方なので、うちの納屋を木工の仕事場にしてもよいことにした。一緒に片付けや草刈りをしてもらう。近隣に挨拶し、自治会長にも紹介した。

こういうふうに土地と家の処分に困っているところがたくさんあると思う。この方式が、ひとつの打開の方法として、よい事例となるかどうか。