過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

憲法の「前文」がわかりにくい

日本国は法治国家である。法による支配である。国家権力もそれによって縛られる。みんなできめたルール(法)がいちばん権威がある。そのルールのもとに人々は平等である。

その法というものの、おおもとが「憲法」である。「憲法」は、すべての法律の大前提、基礎、精神となるものだと思う。

その「憲法」を改正しようという動きがある。改正の方向性の是非はここでは置く。そもそも「憲法」が、とってもわかりにくい。憲法は、誤解のないような文章に、だれにでもわかりやすいものにする必要はあると思う。

たとえば、憲法の「前文」である。前文には、憲法全体の趣旨・思想があらわれているんだと思う。

けれども、この前文の日本語がわかりにくい。その理由として、「主語」がどのように、「述語」にかかっているのか、わかりにくいことがある。

たとえば、「前文」の最初の書き出しの言葉はこうなっている。

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」

一読して、なにを言いたいのかわからない。まず、センテンスが長すぎる。主語は「日本国民」だが、なにをどうするといっているのか、とらえにくい。

ひとつの主語に対して、述語がたくさんある。これもわかりにくい。

たとえば述語は、「行動し」と「確保し」と「決意し」と「宣言し」と「確定する」の5つかな。すなわち、日本国民は、行動する。確保する。決意する。宣言する。確定する。となっているのだろう。

これを短文に直してみると、すこしわかりやすい。わかりやすくするために途中の修飾語を外してみた。

日本国民は、国会における代表者を通じて「行動する」。
日本国民は、諸国民との協和による成果を「確保する」。
日本国民は、自由のもたらす恵沢を「確保する」。
日本国民は、戦争の惨禍が起ることのないように「決意する」。
日本国民は、主権が国民に存することを「宣言する」。
日本国民は、この憲法を「確定する」。

細かにいうと「諸国民との協和による成果」とか「自由のもたらす恵沢」とか、抽象的でわかりにくい。ともあれ、ヒマを見て、すこしずつ分解していこうかと思っている。

(ぼくの投稿のほとんどは、だれかになにか教えようというためではない。書くと構造が見えてくるので、自分が理解するために、自分のために書いているわけです)