過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

『スートラ』とは『糸』のこと

法華経』『般若心経』『金剛般若経』などという漢字のタイトルをみると、重々しく小難しそう。ちっとも楽しい感じはしない。でも、英語で「ロータス・スートラ」「ハート・スートラ」「ダイヤモンド・スートラ」というと、なんかとっつきやすくなる。

法華経』は、要約しようとすると難しいけれども、そのタイトルに集約される。「白い蓮の教え」である。蓮の花が汚泥のなかにあって、それに染まることなく純白の花をひらく。そのように、悩みや苦しみという世間のなかにあって、究極の純白の真理の教えに生きよ、と。

『般若心経』は、智慧の教えの心髄をあらわしている。『金剛般若経』は、絶対に壊れことのない智慧をあらわしている、と。かんたんにいうと

ところで、『スートラ』とは古代インドの言葉で、もともとの意味は『糸』である。インドでは、花を貫いて花輪とする。

弟子たちは師匠とともに暮らし、その深い言葉を通して真理を学んだ。師の語った深い言葉を詩や歌のようにして覚えやすいようにした。その言葉を糸が花をつなぐようにして、知恵の言葉を繋いでいったもの、それが『スートラ』である。

インドは喧騒でごちゃごちゃした国だが、花で満ち溢れている。ジャスミンやマリーゴルド、バラが花輪となって、神の像に毎朝、捧げられている。美しいし香りがすばらしい。

「花の香りは風にさからってすすむことはない。 栴檀もタガラの花もジャスミンもみなそうである。 しかし、徳のある人びとの香りは、 風にさからってもすすんでいく」(ダンマパダ54)