過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

障害者のための芸術発表の場作り

秋田の散策篇。観光地でもないので、とくに見るところはない。ホテルの周りでも、だいたいシャッターが閉まっている。その上、吹雪だ。なので、あいている所があれば、直感で入っていく。そこで、いろいろ聞いてみることにした。

ここは、フツーのギャラリーかなあと思って入ってみた。髭面のガタイの大きいお兄さん。無愛想でちょっと怖いかなあ。見せてもらっていいですかー、ああ、いいですよ、と。すべて障害者の描いたものだという。こうして、絵を切り抜いて大きなキャンバスに配置すると、なかなかいい。

しかし、どうして障害者の絵を展示しているんだろう、というところから、ぼくの好奇心が動きだす。つくったきっかけ、つくりかた、そもそも経費はどのように捻出しているのか、と。聞いていく。

すると、厚生労働省の「障害者の芸術活動支援モデル事業」ということがわかった。なるほど、するとこちらはNPO法人かと聞くと、そうだという。

障害のある人の芸術活動をサポートして、発表の場をつくっているわけだ。地域の特別支援学校や支援団体そして個人とのネットワークづくり。障害のある人とアーティスト、市民の交流を促進。そういう趣旨だ。

閉店になっていた店を借りて、壁を白く塗ってキャンバスにしてギャラリーとする。奥の部屋はNPO法人の事務所だ。それはいいね。

説明してくれたかれは、ここのスタッフで、横浜から移住してきたんだそうな。雇用の条件を聞くと、給与が15〜20万円。しかも、住居はタダという。なるほどなあ。国のこういった助成事業を受けると、団体運営費もスタッフの人件費も出るので、ひとを雇うことができる。経営も安定してくる。