過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

田んぼのおもしろさは、いろいろある

田んぼのおもしろさは、いろいろある。主食を自分の手でつくること。無農薬・無化学肥料、安心・安全な米つくりが大きな魅力。

雨あり、日照りあり、台風あり。ときに過酷な自然に逆らわず、自然の力を感じながらの仕事の学び。

季節の移り変わりの美しさ。青空や月の映る鏡のような水田、田植え、稲が生長して緑の絨毯になっていく。秋には、稲穂が黄金色に輝く。そうして、田んぼに生息する、さまざまな生きものたち。その、交響楽のようないのちのひびき。

一人じゃできないのが、田んぼ仕事だ。代かき、田植え、草取り、稲刈り、天日干し、脱穀と様々な工程がある。仲間と力をあわせなくてはできないことばかり。

ちゃんとしたやり方、セオリーがあるようで、ない。つねに工夫して、実験して、土地にあったものをつくっていくしかない。

その場での瞬間瞬間のひらめき、工夫がためされる。ものを持ち上げる、運ぶ、積み上げる、土を掘る、水を引く、木を切る、動かす。さて、どうやったらうまくいくか……。

こうしたらいいと誰かがいう。いやこうしたらいい。やってみようか。ひとりのひらめきが、また別の人のひらめきとなって、かたちになっていく。やりながら、また工夫していく。現場で、そのときの判断、ひらめき。それを共有していくところ。田んぼの仕事のおもしろさは、そんなところにもある。