過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ジャパ・マーラについて

インド人の「数えかた」から、いろいろ思索がひろがる。インドを旅すると、マントラを唱えている修行者(サドゥー)をよく見かける。家を捨て家族を捨てて、山野に遊行する人たちは、たくさんいる。かれらは、つねに神の名を唱えている。

たとえば、「スリーラーム、ジェイ、ラーム、ジェイジェイ、ラーム」「オーム・ナマ・シヴァーヤ」「ハレー・クリシュナ」など無限にある。ひたすら神の名を唱えることで、心を集中させ深い瞑想に至る。日本仏教でいうと、南無妙法蓮華経、あるいは南無阿弥陀仏と唱えることに通じる。

その際に、かれらは数珠をつかう。ジャパ・マーラという。日本でお坊さんが使う数珠は、いわば飾りか護身みたいな意味あいが強いと思うが、サドゥーたちの数珠は、文字通り数えるためにある。その意味では、西洋のロザリオにも通じる。

で、使い方だ。日本だと数珠は両手に持つ。数えるために持たない。サドゥーたちは、片手で持つ。そして、親指で一つひとつの珠を繰っていく。その数は108である。一周したら108数えたことになる。

おそらくそのとき、左手で親指の小指の付け根につけてカウントしていくと、108×20回=2160回カウントできることになる。これを5回、くりかえせば1万編のマントラとなる。おそらくそれで、3〜5時間はかかる。

ちなみに、近ごろは、小さなカウンター機をもってカチカチと唱えるサドゥーもみかけたりする。こちらのほうが、便利で正確。しかしく、味わいがないかなあ。