過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

地域の空き家、空き地などの聞き取り調査みたいなことも

事務所の近くに倉庫をがほしい。農機具も機械工具も材木も、なんでも保管できる。しかも、湿気が少ないところ。

部品組み立ての仕事をしていた知りあいの会社は、昨年、元茶工場を借りた。そこで、パート10名くらいで仕事をしている。なんと年間家賃が4万円。駐車場も30台くらいある。しかも、国道に面している。

まあ、そんな場所がいい。さがせば、みつからないこともない。で、散歩していると、事務所のちかくに、そんな倉庫があった。地主を探して、訪ねて聞いてみると、倉庫の所有者は別の人で、また訪ねていくことになるのだが。

地主のYさんは、たくさんの土地や山を所有している。父親が銀行で整理の仕事をしていて、その関係で土地を買い求めたという。しかし、いまの時代、宅地や山がたくさんあっても、苦労ばかりだという。

宅地にしておけば固定資産税がかかる。雑種地にすれば、税金は安い。ということで、空き地に栗を植えたり、リンゴを植えたり。しかし、これとて放置できない。雑草対策も必要だ。いろいろ手間がかかる。

老いてくると、そういう仕事もたいへんだ。たくさんの土地があるだけに、もてあまして苦労されている。あそこの土地は、畑にするならタダで貸してあげるよ、と提案してくれた。

周辺の空き家事情も聞いてみた。新しくて立派な空き家があった。ここは、だれそれの所有だから今度聞いておいてあげる。あそこは、土地建物を600万円で売りに出したけど、売れなくて解体してしまったよ。その費用は200万円かかったそうな。

……など、いろいろと地域の情報にも詳しい。こんど、精密なマップを持参して、この空き家は、この空き地はだれの所有ですか、とお聞きしながら整理してみようかと思う。

まあ、散歩して立ち話の世界である。こういう仕事は、わりとおもしろい。茫洋としていた地域事情が、すこしずつ輪郭がはっきりしてくる。人の暮らし、生きざまなども、聞いていてなかなか面白いのだ。