過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

自己破産にしたのかも

「もう、仕事は受けないんです。終わったんです」と、なにやら従業員の表情が暗い。「え? どうしてなの……」。聞けば、社長が二か月前に亡くなった。それで、会社は廃業することになったという。今朝、軽トラに赤いランプが点灯したが、どこが悪いのかわからない。いつもの修理工場に寄った。そのときのことだ。


弁護士が入って、まだまだ乗れるクルマをこれは5千円、あれは1万円と値段をつけて整理しているという。そうか、社長がいなくなって、会社の存続は難しいとみて、自己破産にしたのかも。

それで弁護士が破産管財人となって、債権債務を整理するのだろう。資産は競売になって、その収益を債権額に応じて債権者に振り分けることになる。

そうかクルマが5千円ならほしいなあ、と思ったけれども、競売で入札という手続きが踏まれるのかどうか分からない。まとめて、業者にどーんと売ってしまうんじゃないかな。クルマは、なにしろ税金だの、名義書換だのと、手間がかかるから、いちいちやってられないと思う。

「ぼくたちの給与だけは支払われると思います」と言うが、不安そうだった。失業手当はでるので、職業訓練校に通えば、失業保険の給付金の期間が職業訓練の終わりまで延長される、長い訓練校だと2年もあるよと、そんなことをアドバイスさせてもらった。

昨年は、知りあいの大きな製材屋の社長が亡くなった。息子さんに聞くと、もう廃業するという。太い材木がたくさん積まれていた敷地は、すっかり処分されて広大な空き地になっている。新月伐採などで、意欲的な社長だっただけに、残念だなあと思う。しかし、社長が亡くなると事業の継続って難しいものだね。