インドのベンガル地方出身のスワルナリさんが、ご夫婦で遊びに来てくれた。夫が春野に実家があって、墓参りにこられた。
ぼくはインドが大好きで、これまで延べ13回も出掛けている。出かけたら一か月から三か月くらいの旅になる。
インドは広い。ひとつの国というよりも、ヨーロッパ大陸のようだ。言語も気候も宗教も、地方によってかなり異なる。
言葉は公式には、ヒンディー語と英語だけど、インドの言葉は、ざっと200とか300という人もある。いや2000くらいという人もある。お札に書かれている言語だけでも、17もある。それぞれ、まったく言葉がちがう。書き言葉も文法もちがうのだ。
いまの季節、50℃近い気温の所あり、氷点下のところもある。砂漠あり、密林あり、ヒマラヤのように山脈あり、貧民窟あり、豪勢な町並みあり。そして、カーストもすごく入り組んでいる。
宗教もいろいろだ。ヒンドゥー教が8割、イスラムが1割、そのほかにキリスト教、シーク教、仏教、ジャイナ教とある。ゾロアスター教もユダヤ教もある。しかも、日本とちがって、宗教は生き方の基底部にどーんと置かれている。人生の指針、生活スタイルそのものといっていいほどだ。
歴史も文化が深い。精神世界はとてつもなく深遠だ。そうして、何しろ人間がとんでもなくおもしろい。かれらとの出会いは、毎日がドラマだ。そんなインドにひかれて、いつも行きたいと思っているのだ。けれども、子どもが生まれてそうもいかなくなった。
だから、こうしてインドの方が訪ねてきてくれて、インドの文化のこと、宗教のこと、歴史のこと、ものの考え方を学べるのは、とてもありがたい。それはすなわち、日本の文化のこと、ものの考え方に気づくことにもなるからだ。