稲が実ったら刈りとって、天日干しする。「はざかけ(稲架掛け)」という。いかにも日本の田園風景▲でも、近ごろでは見かけなくなった。天日干ししないで、灯油ボイラーの乾燥機にかけてしまうからだ。
稲架掛けは手間がかかる。木を組んで、刈り取った稲を束にして架ける。お日様の光にまんべんなく当たるように、毎日数回かけかえて乾燥ムラを防ぐ。雨が降ればテントをかぶせる。鳥たちが食べに来るので、網をかける。 乾燥するまでに10日以上かかるという▲お日様に干したお米と、ボイラー乾燥では、うま味も栄養価も格段に違うという人もあれば、雨が降ると美味しい成分が流出するので、機械による乾燥のほうが美味しいという人もいる。
ぼくにはよくわからないので、この秋には、半々でいきたい。半分はボイラーに寄る乾燥、半分は稲架掛け。それで、どちらがおいしいか、自分で確かめてみたい▲でも、稲架掛けがいいかな。秋の風景としてとってもいいじゃないか。のどか、なつかしい世界だから。
ところで、これ作るのは並大抵じゃない。長いスギやヒノキの丸太を組んでいく。風に倒れないように、しっかりと足場を組む。縄でしっかりとむすぶ▲丸太を集めるのも手間だ。自分たちで森に入って伐るのも搬出もたいへん。ホームセンターで売ってそうにない▲そこで先日、春野の森林組合を訪ねた。丸太を分けていただけるかどうか聞く。長さ4メートルもの丸太は1本600円程度で分けていただけそう。その長さなら軽トラックに積み込める。自分たちで皮はむかなくちゃいけない▲それにしても、安いものだなぁ。ついでに何本も買っておいて、薪の保管の小屋、東屋などいろいろつくることができそうだ。