過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

田んぼは手植えがいい 

田んぼの仕事は、たのしい。毎朝6時からの田んぼ仕事は続いている。早寝早起きの節になっている。朝から自然の中で、からだを動かし、土に触れるのは気持ちがいい▲とくに、ひとりじゃない、仲間と力をあわせて事をなす、というのがいい。エネルギーが流れてくる。

昨日から、田植えだ。うるち米はすでに大きな機械で田植えはすましているが、もち米は、まったくの手作業とした。クワとシャベルで土を起こし、掘り下げ、水を入れ、水平にならす。そして、手植え▲トラクターや田植機でやればかんたん。だけど、機械を操作する人以外は、それをみているだけ▲手作業だと、それぞれがみんな働くことになる。泥田に入って、稲の苗を泥に差し込んでいく。なんとも神事みたいで楽しい。これって、じつに何千年にもわたる、先祖のいとなみが続いてきたのだろう。

お米を栽培し、販売して暮らしていけるかというと、難しいと思う。とくに無農薬で除草剤を一切つかわない農法は、手間がかかりすぎてしまう▲しかし、自分がいただくお米は、自然の姿で育ててみたい。なんたって、安全なものがいい▲そうして、稲を育てるいとなみそのものが、まことにたのしい。……工夫の連続、課題を克服する過程、仲間との交流、生きものたちとのやりとり。ひとつひとつ、学びがある。発見がある。気づきがある。

山里には、見捨てられた田んぼ、耕作放棄地ばかりである。そんな田んぼをお借りして、蘇らせていけたら、すばらしい。集落の景観もよくなる▲ちゃんとお米を収穫して、実績を示し、まちなかの人が、こうしたことに関われるような道筋をつくっていけたらいいなあと思う。