過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

感謝していく

してあげたことは、覚えているけど、してもらったことは簡単に忘れやすい。感謝もしなくなる。食事するとき、食べ物に、料理してくれた人に、素材をもたらしてくれた人に、肉や野菜などいのちそのものに。感謝をしなくなっている。両親に、家族に、友人に、仕事そのものに。感謝を忘れている。

こうして長いこと生きてきた、自分自身の肉体に。平和で過ごしている日々そのものに。感謝を忘れている。苦しくなると、困難に出くわすと、あれはありがたいことだったなぁ、と気がつく。うまくいきだすと、忘れていく。こうして、いまあるもの、いまの暮らし、いまの自分、この一日。そのことを感謝できることが、しあわせということなんだろうな。

しかし、すぐに忘れる。だから、とにかく習慣として感謝していく。困難がやってくると怖いので感謝しておく。感謝するといいことがありそうなので、感謝する。そんなに心がこもっていなくても、ちょっとだけでも、感謝していく。……それでもいいと思う。すこしずつ、感謝できることを探していく。ひとつひとつを念じていく。やがて質がかわっていく。