過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

味噌作り

昨日は、味噌作りのお手伝い▲ここから車で30分、田河内(たごうち)という集落に森下さんの家がある。森下家は代々続く自伐林家で、170町歩という広大な森林を見事に管理されている。4世代同居で、長男の廣樹さんが、次の林業を継承することになっている▲メンバーは、森下夫妻と息子さん夫妻。そして、ぼくと畑仕事仲間の飯尾さん。男たち4人は、木の臼に入れた大豆をつく。女性たち2人は、大豆を煮たり杉樽に入れたりの作業だ。

この大豆は一昨年、飯尾さんと二人で耕作放棄地の畑で栽培したものだ。まったくの無肥料、無農薬。しかも雑草とも共生していた▲しかし、見事に育った。みなさんが感心するほどの大きな大豆だ。20〜30キロくらいあったのだが、食べきれずに家の中で放置されていた。それがこうして、日の目を見た▲味噌の作り方。数日前から、米を蒸して麹菌をまぶして、麹をつくっておく。大豆を煮て、木の臼に入れてつく。この臼は松の樹からつくられた、たいそう古いものだ。大豆がこなれたところで、麹と塩と煮汁を入れて、またつく▲そして、杉の樽に入れると、ぜんぶで60キロくらいになる。貯蔵しておくのは、味噌を管理する大きな部屋だ。あとは数ヶ月、発酵しておいしい味噌ができあがるのをまつ。

耕作放棄地を耕して、大豆の種をまき、収穫から仕分け、そして味噌作りまで、自分の手で関われた▲それぞれが得意なワザや資源を持ち寄り、体を動かして力をあわせて、つくりあげていく。それがこうして〈たからもの〉になっていく。まことに人生のよろこびだと思う。