過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

戒名によってお布施の額が違うんだそうな

きょうお会いした方から聞いたはなし。葬儀の時にお坊さんへのお布施は、いったいどれくらいかかるのか。▲こちらの地域では、戒名によってお布施の額が違うそうだ。「信士」が60〜65万円、「上座」が80〜85万円、「居士」が100万円、「院号居士」が120万円以上。お坊さんは、4人くらい来られるそうだ。その他にも、車代だとかもかかるのでないだろうか。

お寺さんとのつきあいは、そのほかにいろいろとお金がかかる。たとえば、今年は、山門の改修に各檀家毎に、毎月4千円積み立てて、一年分を寄進したという▲他の地域では、新しく来られた住職が、葬儀の際のそれまで30万円くらいだったお布施を50万円と要求してきたそうだ。現金収入の少ない、年金で生計を立てている家庭が多いのに、大変なことだと思う▲だから、神道に宗旨替えする家が増えてきたという。神道なら20〜30万円で済むのだという。

なにしろお寺に先祖のお墓があるので、普通は、お寺さんともめたくはない。これは県外の話だが、檀家を離れるということになれば、離檀料に200万円とか、要求された話も聞く▲肉親の死に際して、あれこれと気も萎えて憔悴しているときに、トラブルを起こしたくはないし、みなさんいろいろと困っているのだと思う。

ぼくはいつも書いているように、肉親をおくるのは、親族がいちばんいい。べつにお経を唱える必要もない。歌でもいい、詩でも万葉集でもいい。お経がしっくりとくるなら、かんたんな「延命十句観音経」でもいいと思う▲たいせつなのは、故人を心から偲ぶこと。ものすごく高いお金を出して、わざわざお坊さんをよんで、たいして心のこもっていないお経をよんでもらう必要はないと思う▲「納得のいくおくりかた」はどうしたらいいのか、そういう研究会を来年は立ち上げて、いろいろな事例を、知恵を集めていきたいと思う。