過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

大鹿村歌舞伎

飯田の今田人形座を観た翌日は、長野県下伊那郡大鹿村に移動。途中の道は、南アルプスを望む美しい景観。広葉樹がいっぱいの森が朝日に輝いていた▲着いたのは9時前。しかし、すでに整理券は配りおわっていた。朝の3時から並んでいる人がいたのには驚いた。原田芳雄が主演した映画「大鹿村騒動記」で大鹿歌舞伎が全国に知られて、大勢の人が見に来るようになったという。なんでも一昨年は4,000人が来たという。

会場は、小高い丘の上の神社の境内。村人たちの係員がてきぱきと案内してくれる。娘さんたちも着物姿で可愛い。ぼくたちは、かなりうしろのほうに敷かれたゴザに席をとる▲みなさんお弁当を食べお酒を飲んだりして見物している。歌舞伎だと「成田屋!」みたいな掛け声が出るが、こちらは「じいちゃん、死ぬなぁ!」などという掛け声に、観客席が沸く。こんな開放感のある芝居見物が嬉しい。

演目は「奥州安達原」と「三浦別れの段」の二本。舞台からは遠かったので、役者の表情など、わかりにくい。おまけにストーリーがかなり複雑なので、よくわからない。ま、そんなわけで、ときどき居眠りをしたり、散歩したりで、一日のんびりと芝居を観ていた▲大鹿村は積極的に外からの移住者を迎えている。ぼくもかつては、移住の候補地にあげていたが縁がなかった。NPO法人が主催する田舎暮らし体験会などもあるようなので、いちど交流したいな▲そうそう、飯田に越した久保田雄大さんと出会った。奥さんと一歳の息子さんと一緒。こんど、南信州をいちど案内していただこうと思う。