母はもう点滴の針が入らない。血管が細くなってしまって、針を入れる場所がない。かろうじて、足首に刺している。手を握るが握り返す力もない、目を開けることもない。食事ももちろんできない。お医者さんが言うには、もうターミナルに入ったので、わりと近いです、とのこと。
母のそばに坐って思い出を語りかけ、ハーモニカや鉄琴で演奏した。そうして、ただただ瞑想していた。寝息だけが静かに聞こえてくる。
母はもう点滴の針が入らない。血管が細くなってしまって、針を入れる場所がない。かろうじて、足首に刺している。手を握るが握り返す力もない、目を開けることもない。食事ももちろんできない。お医者さんが言うには、もうターミナルに入ったので、わりと近いです、とのこと。
母のそばに坐って思い出を語りかけ、ハーモニカや鉄琴で演奏した。そうして、ただただ瞑想していた。寝息だけが静かに聞こえてくる。