カモシカが畑に出たのでランに追い払ってほしい。近所の天野さんが頼みにきた。捕獲するには角があって危なすぎる。天然記念物なので殺すことはできない。放置しておくと、畑の作物を荒らしてしまう。役所の人も手を焼いているという。ので、ランの威嚇によって山に帰ってもらうのがいい、ということだ。それでランのお出ましとなった。
近所の人たちが集まっている。ラン連れてカモシカに近づいてみる。ランは唸り声立てて、いまにも飛びかからランばかり。でも、不用意に近づくと角で腹を破られるのが心配。遠巻きににらみ合って、吠えさせた。けれども、カモシカは動かない。立ち上がろうとすると、よろける。どうも、足くじいているのか、折っているのかもしれない。