過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

和服がやはりいいと思うけど

サラリーマンは、通算12年間。こんなぼくが、よく勤まったものだと思う。フリーランスになってから、20年以上にもなるので、もう定時に出かけて時間拘束されるような暮らしは、到底できない▲スーツにネクタイは定番だった。サラリーマンをやめたとき、平日、ラフな格好をして街中を歩いたり電車に乗ると、なにか落伍したような気分になったものだ。いまではスーツとネクタイ姿になるのは、年に一度もない。

助成金の申請の面接とか、裁判の高答弁論だとか、そういうかたい場面ではちゃんとした格好でないと印象がよくない。けれども、やはりスーツとネクタイは苦しくて耐え難い▲そんな時、だいたい和服スタイルにしている。といっても、作務衣に羽織なんだけど。羽織というのは便利で、作務衣みたいな作業衣の上に着るとフォーマルな雰囲気になる。袴を付けたら、さらにフォーマルな雰囲気。しかし袴までつけると、いかに異様なのでそこまではできない。

短足胴長の日本人には、やはり和服が似合うと思う。とくに公式の場は和服がいいと思う。天皇陛下も公式行事は和服だといいのになあと思うことがある▲敗戦の時、米国の戦艦・ミズーリ号の甲板上で降伏文書に署名したのは重光葵だが、その時のいでたちは、スーツにシルクハット、ステッキ。西欧社会の公式ないでたちなんだろうけど、こういうスタイルがサマになる日本人は少ない。このとき、羽織袴で調印してもらいたかったな。吉田茂サンフランシスコ平和条約の調印の時もそうだけど。