過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

八幡さまってなんだろう

朝、起きがけに「八幡さまってなんだろう」と思いたった。この集落の鎮守の神は八幡さま。全国でいちばん社(やしろ)の数の多い神さまは、一にお稲荷さん、次に八幡さまだと思う▲なにしろ神道というのが、とてもわかりにくい。いわば〈大自然を教典とする〉ようなもので、とくに教義はない。創始者もいない。山や川や大地や草木、とにかく大自然が教えであり、それを尊ぶ。神はカミ、すなわち火(カ)と水(ミ)という説もある。なんとかの神……という名前をあげれば、それこそ八百万(やおよろず)で、無限にある。

日本でいちばん社の数が多いのは、お稲荷さんと八幡さまと述べた。しかし、ほんらいの日本の神道の流れからすると、このふたつの神さまは、ちと異質に感じる▲お稲荷さんは、赤い鳥居に白狐たち。加持祈祷のにおいがする、密教のエネルギーが潜んでいる。ちょっと怖い▲そうして、八幡さま。こちらは、源氏の守護神だったこともあり、武家社会で尊ばれた。戦争のときの守護神になったりする。奈良の大仏の鋳造のときの守護神になったり、ときに八幡大菩薩とよばれ神仏一体になったりする。「南無八幡大菩薩、守護せさせ給え」と。

九州の宇佐八幡が全国の八幡さまの元締めである。ここの八幡さまは、ときに託宣といって、巫女さんの口を借りて、あれこれと宣う。われこそは……と神さまが語るのだ。大和朝廷が、道鏡天皇とすべきかどうか、お伺いにわざわざでかけたりするのだ▲そんなこんなを、朝から考えていた。まとまらないが、書いていくと、すこしずつ整理されてくるので、備忘録として。