過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「助成金」とは、「企画コンペ」みたいなもの

ちかごろ「助成金」というのが、おもしろい。助成金というと、まあ、農家への所得補償とか、林業の間伐の補助みたいなイメージがあって、あんまり前向きじゃあないよね▲また学問世界では、学術研究にかなりの助成金が出ていて、教授の力量は、優秀な論文書くということよりも、助成金を獲得して研究に活かせるかどうか、ということもあろう。そうして、医学では薬剤メーカーとの癒着なんて問題も出てきたり。

ぼくのいう「助成金」は、そういうのじゃなくて、いわば「企画コンペ」みたいなもの。たとえば、街づくり、村おこし、森林や伝統文化を守る、みたいなことに行政や企業が費用の一部を負担してくれるというもの▲たんに申請しただけでは、採択されるわけがない。企画力、実現力が問われる。これまでの実績やら、きちんとした予算作りも必要。なにより申請書に「なるほど」という説得力・動かすチカラが求められる。タイトルも表現の仕方も読みやすさも求められる。

もしも企画が通れば、予算はいただける。うれしいけど、ここからがたいへん。机上の企画ではすまないからね。期日までにしっかりと実現していかなくちゃいけない、かたちにして示さなくてはいけない▲たとえば、もしも「広葉樹の森林を作る」という企画が通れば、苗を何百本と買う手配。植林の場所、日取り、参加者をきめて、実際に木を植える手配。そして、ちゃんと植林するということになる。

企画力、表現力、予算の見通し力、そして実現力、さらには継続力が試される▲とにかくひとりじゃできないから、仲間と協力していくチカラが何よりもたいせつ。で、そういうことを練磨していくってのは、なかなか楽しいことなのだ。