過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

一休さんの歌

お釈迦さまの教えを五七五の川柳にしてみたいと思って、そういえば一休さんがおもしろい歌をつくっていたなあと思いだして、「一休道歌」をよみはじめた。これがとてもおもしろい。

「南無釈迦じゃ 娑婆じゃ地獄じゃ 苦じゃ楽じゃ どうじゃこうじゃと いうが愚かじゃ」▲「生まれては 死ぬるなるけり おしなべて 釈迦も達磨も猫も杓子も」▲「世の中は 起きて稼いで 寝て食って 後は死ぬを 待つばかりなり」▲「みな人に 捨てよ捨てよと勧めつつ 後で拾うは 寺の上人」▲「極楽は 十万億土はるかなり とてもゆかれぬ わらじ一足」

ところで、一休と浄土真宗の中興の祖・蓮如とは親交があったらしい▲一休が「極楽は 十万億土と説くならば 足腰立たぬ 婆は行けまじ」と詠んだのに対して、蓮如はこう返したという▲「極楽は 十万億土と説くなれど 近道すれば 南無のひと声」▲まあ、真宗の教えは、南無阿弥陀仏と称えることで極楽往生を遂げるというよりも、阿弥陀さんのほうからすくいとって下さるというものだから、近道も何も……。

さらにこんな話も。あるとき一休が蓮如の留守中に居室に上がりこみ、蓮如の持念仏の阿弥陀如来像を枕に昼寝をした。帰宅した蓮如は「わしの商売道具に何をする」と言って、ふたりで大笑いしたとか。つくりばなしだと思うけど、おもしろい。