過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

紙漉き職人の大城さん

「阿多古(あたご)和紙」をつくっている大城忠治さん。先日、ご夫妻で訪ねてきてくださった。お土産に、ヨモギと楮(こうぞ)でつくった手製の和紙と、ダンボール箱いっぱいの野菜をいただいた。

ことし83歳。この笑顔がいいね。一緒に山を歩いていると、ひょいひょいと軽やかに跳ぶように移動する。ぼくは、とてもついていけない。体の動きはぼくよりも、はるかにキレがいい。話のやりとりのテンポも軽快だ。

阿多古和紙とは、天竜川支流の阿多古川周辺で造られる「手漉き和紙」。もともと阿多古川には、和紙の原材料となる木(楮、三椏、雁皮)が多く自生しており、それを利用した和紙造りが伝えられきた。けれども、いまは大城さんただひとりが、その仕事を伝承されている。こんなすてきな大先輩と親しくさせていただいて、ありがたいことだと思う。