過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

滝を探している

滝行をやってみたいものだと、山中をドライブしては、滝を探している。ここはわがやから1時間。水窪(みさくぼ)にある布滝だ。流れ落ちる水が、絹の細い薄布を晒しているように見える。とてもいい風情なんだけど、滝行をするには、水量が足りない。

湯河原の白雲の瀧というところで、行をしたことがある。広葉樹の生い茂る山中の、美しい滝だった。いまはネパールで暮らしている吾郎君という先達の指導で、きちんと儀式を踏まえて教えていただいた。

滝に入ったとき、頭上から水が落ちてくるその水圧がものすごさに驚いた。すっくと天空に向かってまっすぐ立っていないと、倒れそうになる。どどどどどーーというすさまじい音響の真っ只中。

滝とたたかうというよりは、からだ全体で水の霊気のようなものを受け入れる。しかし、生やさしいものじゃあない。体は芯から冷えきっていく。それらに抗して、体のボイラーに火がつく。熱をつくりだそうとする。全身の細胞ががんばろうとする。滝瀧から出てたときには、心身が一気に活性化してしまう。細胞の隅ずみから、活力が湧いてきたのだった。