過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

宝塚のトップスターだった古城都(こしろ・みやこ)の講演会

ここ山里の春野町は、宝塚歌劇団をつくった白井鐵造という方の出身地。なので朝晩の三回、「すみれの花咲く頃」のメロディーが流れてくる。わがやの犬は、その音に合わせてわおーーーーーーーんと、日夜、遠吠えしている。また、図書館には、山里らしく「現代農業」「林業の明日」が置いてあるが、そこに並んで宝塚の月刊誌が置いてあるのがおもしろい。

先日は、宝塚のトップスターだった古城都(こしろ・みやこ)の講演会が、地元の文化センターであった。古城都という方は知らなかっが、夫は俳優の本郷功次郎という。70歳近いのに、めちゃ若くてツヤがある。動きのキレもいい。講演はたいしておもしろくなかったが、呼吸法の指導は参考になった。かんたんな方法で、立ったところから、前かがみになって息を吐ききる。吐ききって起きあがるとき、自然と息が入る。これだけで頭がスッキリして元気になる。

最後に、都さんが宝塚の定番の歌「すみれの花〜」と歌い出す。客席にやってきて、一人ひとりにマイクを向けた。すると、客席から素人とは思えないステキな歌声が響いた。なんと、そこにはかつての宝塚の教え子がいたのだった。都さんもたいそう驚いていた。

彼女は宝塚は途中で退団して、いまは農協の職員をしているとか。スタイルもいいし、とても美人なので、もったいないと都さんは仰っていてた。その彼女を都さんが、ステージに上がらせて一緒に歌う。都さんの歌よりも、その彼女の歌にこそ花があった。場内に喜びにあふれた歌の響き、とても心打たれたひとときであった。

講演会とかコンサートとか、出かけていくと、なにかしら現実に起きる出来事がたのしめる。表情とか、ふとした仕草とか。その場にいるからこその予期しないこと、思わぬことが起きるのがおもしろい。