過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

麻を育てられないか、と思い立った

クラフトフェアなどでよく見かけるが、ヘンプ(麻)で編んだアクセサリーなど、人気がある。麻は、通気性と吸水性にすぐれている。作務衣やブレザーなど、とても着心地がいい。▲むかしは、神さまのお札を大麻というように、神事につかわれていた。罪穢れを祓う聖なる植物だったのかも。着物にもロープにも、いたるところで使われていた。空き地でよく見かけるヨモギのように、あちこち生えていたんだと思う。▲でもいまは、麻薬取締ということで、ものすごく厳しく法律で規制されている。

ヘンプ(麻のアクセサリーを手に取ってみて、麻を育てられないか、と思い立った。栽培は難しくないという。雑草や病害虫に強い。春に種をまき、100日で3mにも生長する。そしてぼくは、農家資格をとっている。1300坪もの農地がある。▲で、調べてみた。まず「大麻取扱者」免許がいる。それには、いろいろ条件がある。たとえば、「道路から見えないところに農地がある、柵が設置されること」……盗難防止のためだろう、これはクリアーできる。「取引先の依頼状が必要」……これも大丈夫。「葉や花の処分方法」……これも問題ない。ということで、法律的には、ぼくでも栽培できそうな気がしてきた。

ところが、実際には、年に一人も許可されていないのだという。許可されるのは奇跡に近いらしい。理由としては、大麻イコール、麻薬あるいは覚せい剤みたいな、暴力団の温床になるといった恐れのためだろう。とにかく行政としては、新たな大麻栽培の農家は、認めないようなのだ。▲そのことで行政訴訟などしている方たちもいる。たたかっている弁護士もいる。まあぼくは、そんな面倒なことまでして栽培したいとは思わないが、すこし関心が涌いてきた。