過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

呼吸に気づく

瞑想の本質は考えを止めることにあると思う。▲私たちは、未来を心配し過去に悔やみ、四六時中あれこれと考えている。その考えを止まらせることが瞑想。考えが止まると、「いま・ここ」に気づいている自分が立ち現れる。

考えを止めるには、どうしたらいいか▲ひとつには、身体感覚に意識を向けていく。感じると、考えは止まりやすい。逆に考えが強まると、感じることは鈍くなる。頭に意識がいくと、身体に意識がいかなくなり。身体に意識がいくと、頭にいくエネルギーは少なくなる。

ということで、考えが止まるいくつかの方法。▲まず、呼吸に意識を向ける。呼吸といっても、それは概念。具体的には、吸うこと吐くこと。さらには、吸うときに起きる様々な現象に意識を向けていく。▲たとえば、口の中の風。口をほんのすこしあけて息を吸う。息を吸う時、冷たい風が舌、あるいは口全体に当たる。その冷たさを感じる。鼻でもいい。鼻孔に入る風の冷たさ、風の勢いに意識を向ける。

息を吸うのは、胸ではなくお腹がいい。体ぜんたいで吸う感じ。口はその出入口で、体が息を吸って吐くのにまかせる。風の出入口の感触に意識を向ける。▲お腹に意識を向けるのもいい。息を吸うとお腹は膨らむ、吐くと縮む。お腹の膨らみ縮みに意識を向ける。

体ぜんたいの膨らみ縮みに意識を向けるのもいい。体ぜんたいが膨らんで縮んで、体全体で呼吸していることが分かる。▲ぼくはよく、川に浮かんでこれをやる。息を吸うと、ぷかーっと浮かぶ。息を吐くと沈む。これを楽しんでいる。

このように身体のどこか一つに意識を置いて、呼吸に伴う変化を観察していと考えが止まる。▲観察というと外からのことだが、「内側から」の観察だ。むしろ「気づき、味わう」といったほうがいいか。身体の動き・変化を微細に味わっていくとき、やがて考えは止まっている。すると、「いま・ここ」に気づいている自分が立ち現れる。