過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

あ!アカショウビンだ

アカショウビンという鳥がいる。ぼくは田中一村という画家の描くその鳥が好きで、いつか見たいものだと思っていた。▲真っ赤な色合いからして、きっと南洋のほうにしかいないと思っていた。


夕方、そのアカショウビンの鳴き声を聞いた。「キョロロロローーーー…」と高い声で長く長く響かせている。「ほら、この鳴き声がそうだよ」と友人が教えてくれた。▲これまでも、ずいぶんと聞いていたんだろうけど、それだと教えてもらわないとわからない。こうして名前と鳴き声が結びつくと、「あ、アカショウビンだ」とすぐにわかるようになる。

鹿の鳴き声もそうだ。「鹿ぞなくなる」と和歌によく出てくるけど、その声は聞いたことがなかった。▲きっと低い声で渋く啼くのかと思っていた。ところが、実際には、ピーーと甲高いで啼く。自転車の急ブレーキをかけたときのような音。それまでは、なにか大きな鳥が鳴いているのかと思った。▲その鹿がちかくの山によく現れる。夜になると、わがやの畑のあたりでもピーー、ピーーと啼いている。