過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

インドは乞食がいっぱいだけど

インドで疲れることの一つは、乞食がうわーっと群れとなって寄ってくることかな。かれらは手がない、足がない、指がない、ライ患者、乳飲み子の母、もうさまざま。▲「どうかお願いします、お恵みください」という殊勝なものじゃなくて、「おらおら、はよ金よこさんかい」と迫ってくる感じ。

かれらにお金をハイハイと配っていたら、キリがない。ので、無視を決め込むことになる。▲けれども、ツーリストは絶好のカモだから、執拗に迫られる。気の毒だけど無視する。また迫られる。また無視するの繰り返し。そのあたりがストレスになる。

列車に乗れば、悲しげな女の歌声が聞こえてくる。すると、幼女が目の見えぬ母の手を引いてやってくる。目の前に手を出される。無視するとさらに手が。そして、膝に額をこすりつけて哀願される。▲こりゃあ逃げられないと、お金を渡す。すると幼女は、「フン、当たり前だ」みたいな顔になって、サッと別の客のところに行く。

10回を越えるインドの旅で、乞食さんからお礼を言われたことは一度もないな。▲「あんたら金持ちは、わしらみたいな乞食がいるので、布施ができるんだろうが。そのことで功徳が積めるむわけだ。だから、あんたらこそ感謝せんといかんよ」かれらは、そんな意識かもしれない。▲インドは経済成長が著しいけど、貧富の差はものすごい。まだまだ乞食はたくさんいるし、これからもたくさん。