ジャイナ教は、仏教とは、まったく異なる宗教と思っていたが、調べてみるとよく似ているではないか。
一、創始者のマハーヴィラとブッダは、ほぼ同年代に活躍している。
二、ブッダもマハーヴィラも、30歳頃に王族から出家して苦行に入る。
三、ともにブッダ(覚者)と呼ばれた。とくにマハーヴィラはジナ(勝者)と。
四、ともにバラモン教の祭祀を批判し、ヴェーダの権威、主宰神を否定した。
五、ふたりの活躍した地域は東北インドでほぼ重なる。
六、教えも似ている。人生を苦であるとみなすこと、輪廻転生、業、過去仏思想をはじめ、解脱、涅槃を説くところも同じ。
七、戒律も似ている 不殺生、不妄語、不盗、不淫、無所有、といった五戒もほとんど同じだ。
ただ、ジャイナ教は徹底した苦行・禁欲主義に立つ。仏教は極端を排す。ジャイナ教は、動植物のみならず、地・水・火、大気にも霊魂(生命)が宿ると説く。
マハーヴィーラは、仏典では「六師外道」の一人に数えられる。だが、もしもアショカ王が仏教ではなくてジャイナ教を興隆させたとしたらどうなったろうか。
もしかして、中国を経て日本に伝わり、ジャイナ教がいまの仏教のように信仰されていたかもしれない。そうなると、仏教は逆に「外道」と呼ばれることになっただろうか。