過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

断食して死んでいく

どうやって死ぬのがいちばんいいのか、健康なうちに考えておいたほうがよさそうだ。 だいたい八割の人が病院で死ぬそうだ。病院に入ると、医者は「一分一秒でも長生きさせたい」とへんな使命感をもつ。やすらかな死よりも、物理的な生存を大切にする。

延命措置がほどこされると、人工呼吸器がつけられ、血圧を上げる薬で血圧が維持され、栄養剤のチューブにつながれる。病院の天井を見上げて死んでいくことになる。
薬漬けで意識が朦朧となって死んでいくのは嫌だ。体が死ぬ準備をしているのに、余計な栄養などを入れるから、かえって苦しむことになるのかもしれない。

ところで、ぼくはこれまで十日間ほどの断食を二度体験したことがある。さほど苦しくなかった。むしろ幸せな体験であった。猛烈に食べたいのは三日目までで、四日目からは平気になった。とともに、胃は軽い、体は軽い、爽快、頭がクリアーになった。

その経験からすると、死ぬときは断食がよいかもしれない。もはや死ぬと明らかになったら、断食して死んでいくのが。

体は苦しいかもしれないが、頭はすっきりとして死んでいけるのではなかろうか。
願わくは、山の中とか、川のほとりで瞑想しながら、断食して枯れていくように死んでいけたらとも思う。そうなると、野垂れ死にがよいのかな。

ま、そのためにも、健康なうちに断食をふたたびトライしてみようかと思う。