山里のなりわい
かつて稲刈りと炭焼き窯づくりを手伝ってくれたF君が訪ねてきてくれた。当時の彼は、山里でビジネス展開しようと試行錯誤していた。が、こちらは、力量不足でなかなかサポートできなかった。 彼いわく、「山里で平日に、あくせくしないで、田んぼや炭焼窯づ…
山里に暮らす90代の方の本作りで、出版社(すばる舎)の水沼さんと、カメラマンの内山さんと次々と訪問してインタビュー。明日も、3人の訪問予定。みなさん、それぞれ個性的ですごい人ばかり。1枚目:和紙と人形づくりの大城忠治さん91歳2枚目:林業家の鈴…
奈良の五條市にいる親友が、毎年、貴重な桃を送ってきてくれる。学生時代、ゼミの合宿でほんのちょっと話をしただけのつながり。ともにそのゼミは脱落したし。 奥様がいつも丁寧に手紙をつないでくれていたので、つながってきた。学生時代の友人で、交流があ…
『はらぺこあおむし』君がうちにもいる。山繭の飼育をしているのだ。だいたい10匹くらいはいる。色合いがなんとも美しい。餌はクヌギ、コナラ、栗の葉っぱだ。三日に一度、若葉を摘んでくる。そろそろサナギになるかもしれない。 『はらぺこあおむし』で知ら…
電磁波過敏症の娘さんのことで、その父親が相談に来られた。電磁波がきつくて、まちなかでは暮らしていけない。そこで山里で電磁波の影響が少ないところを探しているという。 あちこち案内したのだが、過疎地といえども、道路に沿って送電線がある。電柱はあ…
石の地蔵を彫りにきてくれている左近さん。きょうもテラスでひたすら石を刻んでいた。彼の本業は炭焼師である。見事な窯をつくっている。「火をつければ、まちがいなく見事な炭ができる」という秘伝の窯。これまで、何度も炭焼のビジネスのことは教えてもら…
思えば移住して10年。2011年の2月3日に東京から春野町に引っ越し。3月11日。この山里でもゆらりと揺れた。すこしめまいがした。 そうして、原発の爆発、放射能の噴出と降り注ぎ。東京脱出してよかったんだなあという思いがあった。こちらの山里でもお茶など…
デイサービスの事業をはじめて、1年3ヶ月になる。それまでは「休みがなかった」。事業を始めてから「休みができた」。 どういうことか。30年余、フリーランスで編集と執筆の仕事していたので、毎日が日曜日。土曜だろうが日曜だろうが関係ない。インドに13…
①過疎地の山里は、いたるところで店は閉まっている。仕事がないので、若い人は暮らしていけない。住民は、高齢者ばかりとなっていて元気はない。衰退の道。 ②しかし、このコロナ禍のためなのか、まちなかから山里に来る車やバイクの数は増え続けている。おい…
炭焼きしながら、その鎌の隣で石仏を彫る。石仏を彫ったというので、はじめての作品を持ってきていただいた。亡くなった息子さんの供養の心で彫ったという。石を刻んでいる間は、まったくの無心。喜びの静寂に包まれるという。左近さんの本業は炭焼き職人。…
「どれどれ」。あかりも参加して、機織り機の調整中。専門の田中さんがみてくれた。明後日から機織りが再開される。山繭、葛の繊維での機織りだ。そのうち、あかりも機織り娘に。
天蚕(ヤママユ)の飼育〜生糸〜機織。いま企画中。 栗林に網をかけて、そこで天蚕を飼育する。まずは、ヤママユの卵を500〜2,000個くらい購入して、葉っぱにつけていく。サナギ(繭玉)ができたら、生糸にする。そして、機織りまで。 機織りの機械は、施設…
かつの山里の現金収入のひとつは、蚕だった。 いまはたったの9世帯になった胡桃平という集落。そこが発行していたガリ版文集から。こうした生活記録は貴重だ。 今年は、天蚕(ヤママユ)の継承事業をはじめるつもり。
店主は98歳だ。レジも打つ。おつりもちゃんと計算して間違えない。店番、客とのやりとり、仕入れ、すべてひとりでこなす。70年以上も店を開いている。まさに生涯現役。100歳になっても、続けていくだろう。 熊切という集落には、この店しかない。山里のコン…
山里の過疎地は仕事がない。しかし、いま伸びているのは「冬のキャンプ」。テント内でストーブが焚ける。河原なら自由に焚き火ができる。冬なら虫はいない。お金がかからない。 コロナ禍もあってさらに加速している。年末年始は冬のキャンプで満杯になりそう…
訪ねたのは春野町の熊切(くまきり)という集落にある尾上商店。過疎化のため、ほとんどの店が閉まっている。ここは、唯一の小売店。この地区のコンビニ的な存在。おいしい油揚げを買った。 ──ところで何歳になりますか? 「きょうで98歳だよ」 ──え!きょう…
山繭を飼育して織物までやっている友人がいて、飼育するための林がないので、サポートしてもらいたいと相談を受けた。 山繭は、天蚕とはちがって、桑の葉を食べない。クヌギ、ブナ、コナラなどを葉っぱを食べる。そのため、室内で飼育できない。それらの樹木…
過疎地の買い物支援と見守り 猿田光里さん(浜松市天竜区在住、75歳) 山里暮らしのたいへんさは、買い物が不便なことです。高齢になると、歩いて行くのはたいへんなこと。なにより過疎地の山里には、もう店がなくなってきています。 そんな過疎高齢化の著し…
この山里は、浜松市に吸収合併(平成大合併から)されて十年余になる。周智郡春野町から、浜松市天竜区春野町となった。 ぼくは合併されてから移住してきたので、それ以前の春野町のことはよく知らない。 ------------------- 合併しなかった他の市町の人た…
田舎への移住の3つの障壁は「仕事がない」「空き家がない」「集落の閉鎖性」。 「仕事がない」→(自分で仕事を作る) 「空き家がない」→(空き家はたくさんあるが、簡単には貸してくれない。かならず貸してくれる) 「集落の閉鎖性」→(その人のコミュニケー…
過疎地には、広大な農地がある。だが人々は高齢のため耕作できない。人手もない。農産品を売るのもたいへん。ということで、耕作放棄地がひろがるばかり。草茫々。草刈りもたいへん。 農地はやっかいだ。農地法の制限があり売買できない。農地法の申請とか、…
3密対策のオープンテラスの屋根工事。かれらペルーの2人組(ともに祖父が日本人)にがんばってもらった。こんどは、4トンのユニック車で、スーパーハウス(4畳)7つと貨車3両を、この施設の敷地に移送してもらう。かれらはなんでもできる。家の解体、…
多文化共生村、インターナショナルなフリースクール、農家民宿とレストラン。そんな提案を友人から受けている。広大な敷地があって、そこの活用プランではある。 しかしまてよ、山の中よりも、もすこし麓にこんな素敵な廃校があるじゃないか。川遊びもできる…
少子高齢社会③ 日本の少子高齢化は、ずっと続く。この流れは止まることはない。そうなると労働力の確保としては、やはり移民政策に移行せざるを得なくなる。 また、日本人はどんどんと海外にでかけて、そこで活躍していくようになっていくのだと思う。 今年…
少子高齢化社会① 日本は少子高齢化が著しい。昭和20年台は、出生率は、4.3〜2.0人くらい。いまは1.44人くらいか。平成72(2060)年には約2.6人に1人が65歳以上、約4人に1人が75歳以上の社会となる。 この春野町は、先取りしている。10年で25%ほどの人口…
コロナ禍影響で、食べ物は、テイクアウトが盛んのようだ。 久しぶりにまちなかにクルマで出かけた。一車線だけ全く動かない。いくら待っても進まない。おかしいなぁ。気がつくと、マックやケンタッキーのテイクアウトのために混んでいたのだった。 テイクア…
43ヘクタールの広大な森(東京ドームの10個分)。50人キャパの宿泊棟が10棟。体育館。天文台。イベント広場。標高500メートル。 かつては、県営の林間学校。その後、NPO法人が所有。杉や檜を伐採して、山桜を植えてきた。広葉樹も茂ってきた。 その施設が…
①施設では、保育事業も行っている。施設を区切った別の部屋で、未就学児の保育。春野町には保育所がないので、保育ママ制度を活用した保育所。といっても、預かるのはマックス3名。 問題は、子供をみてくれる保育ママさんがいないこと。だが、やっと安定し…
「教えない」学校というのは、いいかも。 学びたくない人に、カリキュラムに沿って教えるのは、虐待みたいなものかも。 学びたくない人が、試験のためにしかたなく学ぶのは気の毒だし、まったく身につかない。勉強は嫌なものの代名詞になる。 学びたい人にだ…
「山里でフリースクールを開きたい。 いまの文部省教育になじめない子のために。生きるそのものワザを養わせたい。その上での読み書きソロバン。農業を基盤にやってみたい。そのためにも、こんな山里が最適」。 そんなことを言う女性が訪ねてきた。2か月前…