過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

杏仁豆腐のような味と香りの枇杷の酒

枇杷の種をホワイトリカーに漬けておいた。そして一年。濃い琥珀色のおいしそうな酒ができた。スプレーに入れて、シュッシュッと霧にすると、なかなかいい香り。オン・ザ・ロックで味見してみると、杏仁豆腐のような味と香りがして、かなりおいしい。飲んで…

瞑想は、生活のなかの「今・ここ」でできること

さてなにをしようかなあ、なにかする元気もないし。……と、ふっと空虚な時間がある。そういうとき、多くの人はどうするだろう。▲たとえば、ごろっと横になってテレビ見る、ネットを見る、おいしいものを食べる、買い物をする……。食べたり買ったすると、なにか…

自分の葬られ方

先日、見舞いに行った友人が亡くなった。入院して一ヶ月。悪性線維性組織球腫という急速に大きくなる肉腫。小さなシコリがどんどんと肥大化していった。手術したが、手遅れだった。▲妻子と別れてひとり暮らし。はや見込がないと思って、生前、死んだあとの葬…

こんな坊さんが、まだいたんだなあ

先日、書いた村上光照師について。▲村上師にはじめて出会ったのは、新宿の中央公園だった。二人の僧侶が、公園の噴水の水を飲んでいた。フランスパンをかじっていた。上座仏教修道会を主宰していた竹田さんから、リュックを背負って行脚していると聞いていた…

無所有生活

モノがたくさんあって荷が重い、ということから、無所有の生活の話に。▲ヤマギシで、生活している知り合いがいる。ヤマギシは、いわば原始共産社会、無所有の共同生活をしている。彼は、浄土宗の寺の家に生まれた。そのまま寺を継ぐことに躊躇があり、禅の師…

老いと死をどのように迎えるか

「ひぐらしの 声聞きながら 死のゆくえ」 - 盛夏のなかにふと秋風を感じる昨今。まさに光陰矢のごとし。あっという間に老境にいたる。▲さて、老いと死をどのように迎えるか。いちばん大きなテーマだなあ。そりゃあ、死ぬときがきたら死ぬんで、そのまま受け…

いつの日か わが身もきっと クソまみれ

「夫にも あんた誰だと といかける」 「いつの日か わが身もきっと クソまみれ」 - さきほど認知症の奥様を世話されている友人が来訪。▲奥様は60代後半。娘さんが孫の赤ちゃんを連れて里帰りしても、それが誰なのかわからない。実の娘のことを、夫の愛人で、…

「一処不住」の村上光照師の聞き語り①

澤木老師のお弟子さん、「一処不住」の村上光照師の聞き語り①──────おやじが戦死して、ぼくは母一人で育てられた。とことん金がなかった。大学では、山岳部に入って剛力のアルバイトをよくやったよ。着るものといったって学生服しかない。その学生服のまま重…

澤木老師の坐禅姿

澤木興道という禅僧がいました。そのお弟子さんの庵を訪ねたとき、床の間に澤木老師の坐禅姿の写真が掲げられていました。枯淡であり、とても美しい姿と感じました。澤木老師の言葉も迫力があります。それを紹介します。「禅に聞け」(櫛谷宗則著・大法輪閣…

戦死した者は、鎮魂の必要はない。そのまま神とした。

〈戦死した者は、鎮魂の必要はない。33年間を経なくても、即座に英霊となって靖国神社に祀られるとした。〉 - 靖国神社は、戦死した英霊がまつられている。ご祭神は「英霊」である。英霊というと、「皇軍兵士」として、「お国のため」に亡くなった人をいう。…

靖国に参拝した日

〈靖国に参拝した日。国威発揚のパフォーマンスに違和感が。静かに戦争で亡くなった方たちの鎮魂の場、平和を願う祈りの場という靖国であればいいなあと感じた。〉 - 3年前の今日、九段下の坂道を歩いて靖国神社に参拝した。長い行列について参拝させていた…

『死んだらおしまい、ではなかった』がついに10万部突破

〈3年前につくらせてもらった本が、ついに10万部を超えた。お坊さんが二千件もの葬儀をいとなんで、故人の霊的なものをとらえていった体験である。〉 - 亡くなった人が、はたして成仏したのかどうか、それを真剣に探求した坊さんがいる。▲この方は、毎日のよ…

お盆と先祖供養

〈葬儀や法事が死んだ人の供養になっているのかどうか。どのようなことをしたら、先祖の供養となるのだろうか。〉 - いまはお盆だ。お盆というと、先祖供養。お盆には、先祖が「あの世」から「この世」にもどってくる。そして、遺族と一緒に過ごして、また「…

重篤の患者の見舞にいってきた

〈重篤の患者の見舞は、無理に共感しようとしなくてもいい。ほんとうの辛さは、本人しかわからないし。いつもの元気なときの普通の会話でいいんだと思った。〉 - 一昨日は、病床の友人の見舞い行った。かなり重篤だ。▲2ヶ月前は、空咳が続いて、やがて下腹部…

長くかかった裁判 まる2年

裁判って長くかかる。なにしろ訴えを起こしてから、まる2年だ。弁護士を雇わないで、法律に詳しい友人の助けを借りて進めてきた。そして、やっと本日、訴訟費用額確定処分の通知書が裁判所から届いた。▲それまでは毎月のように準備書面を出して、法定に赴い…

山里にはワザをもった匠が

ちかくで手打ちそば屋を営んでいる友人。脱サラして手打ちそばをはじめた。つくっているすがたを見ていると、静寂で動作も美しく、禅の修行みたいだ。そば打ちの師匠はいない。NHKの手打ちそばの講座を見て独学したという。自宅と店を自力で建てた。ウッドデ…

白川英樹博士とセレンディプティ

イチローの子供の頃の作文について書いたが、今回は、ノーベル化学賞の白川英樹博士。電気を流すことのできるプラスチック(ポリアセチレン)を発見された。その博士の講演会に行ったことがある。はったりとか計算とか、そういうのをまったく感じさせない。…

八正道とイチロー

ブッダの教えに「八正道」がある。この道を歩めば、解脱にいたる、という教えだ。▲正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念および正定、と。漢字で書くと、いかにも難しい、固い、辛気臭い。▲その中に「正精進」(sammaa-vaayaama)という項目がある。…

大豆が育つかなあ

今年は大豆を育てようと一念発起した。「大豆は簡単だよ、荒地で育つ」と山里の人がいう。近所の老夫婦に豆を分けてもらった。▲ああ、味噌を、豆腐を作りたい、納豆も。枝豆も食べたい。ところが何年も放置していた畑なので、耕すのがたいへん。まずエンジン…

虫の鳴く音

きょうは、やっと嬉しいめぐみの雨だ。大豆の畑に水やりをしなくてすむ。しばし雨だれの音を聴いていた。雨音にまじって遠くヒグラシの鳴き声が聞こえる。シャンシャンと鈴を振っているようにも聞こえる。網戸にウマオイが止まって、スイーーッチョと盛んに…

答えと共感

人から相談されたとき、いい答えを出さなくちゃいけない、なるほどという解決策をちゃんと示さなくちゃいけない、と思う。とくに女性に相談されたとき、男はえてしてそうなりがち。でも、よくわかっていないのに、浅薄な共感しかないのに、すぐに答えや解決…

瞑想について

このところ瞑想に取り組んでいる。朝は、目が覚めたら布団の上で半跏趺坐スタイルで瞑想。夜は就寝の直前に布団の上で瞑想。そしてそのまま、眠りに入る。▲日中でも、疲れたり混乱するとすると、なるたけ仏壇の前で坐って瞑想に入るようにしている。坐り方は…

自分で祈ることと、他人に祈ってもらうこと

拝むことについて。自分で祈ったり拝むのはあたりまえで、他人にやっててもらうのは、意味ないじゃんと思う。けれども、多くの宗教では、他人に祈ってもらうことが多い。▲通力のある人、聖職者らしき人にお願いして祈ってもらう。聖職者は、依頼された人の代…

拝むことと拝む対象について

宗教は、頭で考えるだけではなくて、身体を使って礼拝し、祈り、唱え、儀式をする。どんな宗教でも、身体的な所作がともなう。▲その必須な要件は、「拝む」こと。その拝みかたは、それぞれだが、今回は拝む対象についてだ。拝む対象が、なんにもない宗教と、…

雑草との格闘 いよいよトラクター

真夏だ。雑草がものすごい。なにしろ1300坪の畑。いまは何も植えてない。都会暮らしの時には、雑草がこんなにすごいとは知らなかったよ。草ぼうぼうぼうになると、いかにも荒れ果てた風情になる。やぶ蚊は増えるし、マムシだって生息する。鹿は夜になるとぴ…